ただの備忘録

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MLB新労使協定(CBA)の詳細

一時期ロックアウトも検討されたくらい中々オーナー側と選手会側が納得できてなかったこのCBA。今さら感はありますが、MLB公式に乗ってるCBAの内容を全部和訳してみました。訳間違ってると思うので何かあったらコメントなりなんなりでご連絡ください。

Details of MLB, MLBPA labor agreement | MLB.comより

1.期間

A.5年契約

B.2021年12月1日まで有効

 

2.スケジュール、ポストシーズン及びDL

A.2018年からレギュラーシーズン中の休みが4日増える。よって183日から187日で1年(172日)のMLBサービスタイムを得ることになる。

B.次の球場に早く着くようにするために、試合開始時間に制限を追加する。

C.ワールドシリーズのホームフィールドアドバンテージはオールスターの結果に基づいていたものから、シーズンの勝率が高い方に与えられる。

D.15日間のDLは10日間のDLになる。

 

3.オールスター

A.勝ったリーグのオールスター選手は64万㌦のボーナスを得る。

B.オールスターのロースターは32人で20人の野手と12人の投手からなる。

C.前年度リーグ優勝監督に与えられた監督推薦から、コミッショナー推薦になる。NLから7人(4人は投手)、ALから5人(4人は投手)が選ばれる。

D.ホームランダービーは変わらないが、賞金はこの契約の間増える。

 

4.クラブハウス

A.チームはホーム、ビジターのクラブハウスの選手に食事と快適な施設を提供する責任をより負うことになる。

B.クラブハウスを維持するのにクラブにとって最善な実践についての合意のリストには、基本的な食事の提供、快適な施設作り、選手の家族への援助などが含まれる。

C.全てのチームはクラブハウスの栄養摂取向上のために常時シェフと栄養士を雇用し、Player/Management Advisory Council(選手を管理するための委員会?)を設立する。

D.全てのチームは自発的にスポーツ心理学者へのアクセスを提供しなければならない。

E.MLB選手会は共同で栄養摂取と栄養補助食品について選手とチームに助言する栄養士を保持することになる。

 

5.収入の分配

A.業界の収入の割合を見れば、収入分配計画の元での実質の変化は変わりないが、チーム個人の収入分配の方法の決められた公式が改正された。

B.不適格と見なされるチームのマーケットの配分率は15%から13%に引き下げられる。OAKは2017年まで4年間該当していた。

 

6.ぜいたく税

A.ぜいたく税の上限は2017年1億9500万㌦、2018年1億9700万㌦、2019年2億600万㌦、2020年2億800万㌦、2021年2億1000万㌦となる。

B.基本的なぜいたく税率は1回目超過分の20%、2回目超過分の30%、3回目超過分の50%になる。

C.超過額が2000~4000万㌦だと12%上乗せされる。超過額が4000万㌦以上なら1回目42.5%、それ以降45%上乗せされる。

D.2018年から、4000万㌦以上超過したチームは次のドラフトでドラフト1位の指名権利の順番が10下がる。ただし全体で6番目までの指名権利は保護され、そのチームはドラフト2位の指名権利の順番が10下がる。

E.このぜいたく税の変化は2017年は段階的に導入され、2018年は完全に導入される。

 

7.選手の福祉や年金

A.現在の選手はIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)の規則の元で最大の年金を受け取り続ける。

B.年金と医療へのチームの年間寄付金は約1年あたり2億㌦まで増える。

C.引退した選手への年金は増える。

D.選手の就業不能給付は改善される。

E.年金制度で与えられなかった引退した選手に対する支払いは続ける。

F.選手の医療や歯科の手当ては様々な範囲で改善される。

G.選手はサービスタイムに基づき、引退した選手個人の口座への最低限の支給を保証される。

 

8.ドラフト指名の補償

A.チームは以前QOを受けた選手にQOを提示することはできない。

B.QOを受け取れる期限は7日から10日に延長される。

C.補償対象となるFA選手と契約したチームはドラフト1位の指名権利は失わない。しかし以下に従う。

  • 市場規模が十分でないチームは次のドラフトでドラフト3位の指名権利を失う。
  • ぜいたく税を支払うチームは2位と5位の指名権利を失い、後述するインターナショナルボーナスプールを100万㌦減らされる。
  • その他のチームは2位の指名権利を失い、インターナショナルボーナスプールを50万㌦減らされる。
  • 没収された全てのインターナショナルボーナスプールのお金は全てのチームに平等に分配される。ぜいたく税によるものはこの没収額の適用外である。

D.補償対象となるFA選手の前のチームは以下のものを受けとる。

  • 市場規模が十分でないチームは、その選手が5000万㌦以上の契約をしたらドラフト1位の指名権利を得る。
  • ぜいたく税を支払うチームは4位の指名権利を得る。
  • その他のチームはドラフト2位に続く戦力均衡ラウンドBを得る。

 

9.最低年俸

A.メジャー最低年俸は2016年50万7500㌦、2017年53万5000㌦、2018年54万5000㌦、2019年55万5000㌦と増えていく。2020年と2021年は物価によって調整する。

B.マイナー最低年俸は2016年8万2700㌦、2017年8万6500㌦、2018年8万8000㌦、2019年8万9500㌦と増えていく。2020年と2021年は物価によって調整する。

 

10.海外での試合と国内の特別なイベント

A.MLB選手会は野球普及のために今後5年間メキシコ、アジア、プエルトリコ、ドミニカ、ロンドンで試合あるいはツアーを行う海外での試合計画に合意した。

B.選手はチームとリーグ公認のこのイベントに参加することで追加補償を受け取れる。その額は場所やスケジュールに応じて1選手1.5万㌦から10万㌦の範囲となる。

C.MLB選手会は、アメリカとカナダにあるメジャーまたはマイナーの球場以外の場所でレギュラーシーズンの試合を計画することをコミッショナーに認めさせることで合意した。そして選手はこれらのイベントに参加することで追加補償を受け取れる。

 

11.海外のアマチュア選手獲得

A.それぞれのチームは以下のようなボーナスプールを割り当てられる。

  1. ドラフトで戦力均衡ラウンドA(ドラフト1位に次ぐもの)を得たチームは525万㌦のボーナスプールを得る。
  2. ドラフトで戦力均衡ラウンドB(ドラフト2位に次ぐもの)を得たチームは575万㌦のボーナスプールを得る。
  3. その他のチームは475万㌦のボーナスプールを得る。
  4. チームは自分のボーナスプールを上回ることは出来ない。(得られたボーナスプール以上を支払えない?)
  5. ボーナスプールはMLBの収入によって増える。
  6. チームはトレードによって2017-18と2018-19の期間は自分のボーナスプールの75%まで得る。以降は60%となる。
  7. 1万㌦以下の契約金はボーナスプールにカウントされない。
  8. 2015-16と2016-17の契約期間の契約制限はCBAに引き継がれることになる。
  9. コミッショナーはシステムを避けようとしたどのチームにも厳しいペナルティーを課すことができる。
  10. 海外のプロ選手はボーナスプールの適用外であり続ける。海外のプロ選手は、25歳以上の選手でコミッショナーオフィスで認められた国外のリーグで6年間以上プロとしてプレーした選手と定義される。

 

12.ドラフト

A.ドラフト1位に関する契約金の価格はスロット間の格差を減らすために調整される。

B.戦力均衡ラウンドは勝率と収益の組み合わせに基づいた市場規模下位10球団と収益下位10球団に引き続き与えられる。該当するチームはラウンドAとラウンドBを交互に受け取れるシステムになったため、抽選形式は廃止される。

C.チームはドラフトの前に選手の自主的な意思でMRIを受けとる手順の制定

D.特にアメリカ国外に住む選手への大学奨学金制度の改善

 

13.薬物防止と治療プログラム

A.シーズン中のランダムな尿検査の回数は3200回から4800回に増える。

B.オフシーズン中のランダムな尿検査の回数は350回から1550回に増える。これは全ての40人枠の選手が少なくとも1回はオフシーズン中にランダムなテストの対象になることを確実にするためである。

C.シーズン中のランダムな血液検査の回数は260回から500回に増える。そしてオフシーズン中のランダムな血液検査の回数は140回から400回に増える。

D.薬物違反によるペナルティーや出場停止は2回目50試合に増える。3回目は100試合、4回目は永久追放まである。

E.プログラムの緩和規定の元で出場停止が20試合以上減らされない限り、薬物プログラムに違反した全ての選手は出場停止間メジャーリーグサービスを受け取れない。

F.仲裁委員会は軽減理由に基づいてペナルティーを減らすためにより裁量を与える。

 

14.煙の出ないタバコ

A.タバコ製品の使用は、法や条例によって禁止されている地域の球場では禁止される。

B.2017年以降メジャーデビューする全ての選手は全ての球場で煙の出ないタバコを使用することを禁止される。

 

15.DVポリシー、反いじめ、反しごき、通訳

A.DVへの方針を強化するために、コミッショナー事務局の指揮で調査を早めるための手続きの変更。

B.コミッショナー事務局はWorkplace Code of Conduct(訳がわからないのでそのまま載せました)を補足するものとして、反いじめ、反しごきを実行する。

C.双方は、クラブはこの契約の間2ヶ国語を話せるメディア関係の専門家を所持すること、スペイン語を話す選手のためにさらなる英語学習の機会を与えることで合意した。

 

16.メジャーリーグの規則と手当

A.チームが選手をDFAできる期間は10日から7日に短縮される。

B.選手のマイナーリーグが終了した場合、チームは10日間の期限より前にオプションでその選手を再昇格させることを禁止される。

C.チームはマイナーリーグへのオプション行使の前にウェーバー公示をする必要はなくなる。

D.移動手当を含む、選手が受けとる手当の様々な改善。